【新唐人2014年11月13日】2年近くの交渉を経て、中国と韓国の自由貿易協定、FTAが10日、実質的な合意に達しました。台湾経済部は中韓のFTA妥結によってもたらされる台湾の産業への衝撃を危惧しています。一方、蕭万長(しょう ばんちょう)元副総統は習近平国家主席と会談した際、中台間のさらなる経済協力を提案しました。
習近平主席と韓国の朴槿惠(パククネ)大統領は中韓自由貿易協定で合意に達したと発表しました。これを受け、台湾経済部は中韓のFTAが来年上半期から発効した場合、台湾の産業は大きな打撃を受けると公表しました。
台湾経済部 卓士昭次長
「この先3〜5年、もし台湾の商品貿易が完成できなければ、2600億〜6500億台湾ドルの影響が出るでしょう」
現在、韓国と台湾は輸出品の7割以上が重なっています。中韓のFTAは来年中に発効するとみられ、双方は貿易品目の9割を関税撤廃の対象にすることで一致しました。一方の台湾は、鋼鉄、工作機械、自動車、パネル、石油化学、紡績、ガラスなどの7大産業が大きな打撃を受けると見られます。
台湾経済部 卓士昭次長
「我々はなるべく早く中国との貿易協定を協議せねばなりません」
馬英九総統の代理として北京のAPEC首脳会議に出席した蕭万長元副総統は習近平主席との会談の際、中台間のさらなる経済協力を提案しました。一方の習主席は、蕭万長氏を「さん」付けで呼んだだけで、さらに大陸委員会主任委員、王郁琦(おうゆうき)氏に対しては「こんにちは」と挨拶しただけだそうです。
台湾団結聯盟立法委員 賴振昌氏
「台湾側を迎えたのは国務院台湾事務弁公室副主任で、対等のレベルではありません。それに蕭万長だけが飛行機の前方から降りられ、大陸委員会主任委員を含む他の人は後部出口から降りました。意図的に我々を侮辱しています」
民進党立法委員 段宜康氏
「非常に微妙な状況だと思います。つまり相手は意図的に冷たく接しているのに、我々は媚を売ろうとしています」
中台間の経済関係は政治から脱却することはできません。中国大陸との貿易協定を進めたい台湾政府は焦りがかえって逆効果をもたらしているようです。
国立政治大学国家発展研究所 童振源所長
「我々が直面している苦境はつまり、中台間の経済貿易関係に対する意見が我々内部で分かれていることです。『地域の圧力』の一言では言えませんので、両岸協議は継続せねばなりません」
中国大陸からの圧力と間もなく到来する貿易戦争に直面し、台湾がどのように立ち向かうか、注目されます。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/b5/2014/11/11/a1152909.html (中国語)
(翻訳/坂本 ナレーター/佐藤 映像編集/李)